スペインの旅 サグラダファミリヤ

生誕のファサード

前回バルセロナに行ったのはもう20年前になる。2001年のバルセロナの印象は観光都市としてしてすでに成熟していた。

僕が日本との文化の違いを一番感じたのはサグラダファミリアを訪れた時のことだ。当時サグラダファミリアは増築棟を工事中だったが、御構い無しに中に入ることができ、塔に登ることができた。同じことがドイツのベルリン博物館でもあった。

日本のように工事中だから博物館を閉鎖しますという馬鹿げたことはしない。

サグラダファミリヤがこの20年で圧倒的なスピードで完成してしまった。少し寂しい思いがする。未完成の美しさ。人はその中に自分の夢を描き出す。埋め尽くされた建築は人の夢が入る隙間もない。建築とは何なのか。

もっと時間をかけていつまでも建設中であってほしかった。ガウディの夢を想像する楽しみを残しておいてほしかった。

生誕のファサード
1894年に建設が着工され、ガウディがこの世を去った7年後の1932年に、一部の彫刻を除いて工事が完了
1954年に工事が着工された受難のファサード
サグラダファミリアとサンパウ病院

作成者: 塚口 明洋

建築家を引退し、VIEW、LANDSCAPEをテーマに 時間を超えて建築家の旅を続けています。 B&B(宿泊施設)GARDEN FLATS(賃貸建物) 半島ビル(築50年の貸しビル)新町アパート(築60年の木賃アパート) を家族で運営しています。

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