VIEW LANDSCAPE 思い出の風景

今ある風景を壊さないで大切にできたらいいなあ。

僕たちは土地や建物を売ったり買ったりすることではなく、上手に使いこなすことを楽めたらいいなあ。

地球温暖化による気候変動等が話題になっていますが、CO2削減に関しても本気で解決しようとしているとは思えません。「持続可能な開発」とかのキャッチフレーズにしても、何か違うと感じます。近代になってずうっと続いている、新興企業が古い企業に対して、社会のルールを変更し一発逆転を狙っているとしか思えません。

CO2削減については、もっと地道な計画を立てないと、何もしないよりも悪化するように思えます。今の現状を前提にしない理想の社会を考えるのではなくて、今何を選択すれば少しでも危機を先送りできるかを考える方がいいと思います。今すでにあるものを利用しないところに過ちがあります。なぜ今あるものを利用しないのか、それは企業にとって何のメリットもないからです。ルールを変えて、新しい投資と利益を生み出すことが目的だからです。

本当に人類に危機が迫っているという認識があれば、様々なケースを議論して物事を決めた方がいいと思います。SDGsのようにそれぞれの項目の中では正しいことでも、現在の各国の事情を考えた場合に、実行に大きな問題が発生するものがあります。世界共通の標語を高らかに宣言すればそれでいいというものではありません。

自然エネルギー発電と原子力発電の問題、電気自動車とガソリン車の問題について、何の議論もなく自然エネルギー、電気自動車を目標にあげるのはおかしいと思います。現在のエネルギー状況、生産状況、それぞれの問題点を議論した上で判断するべきことだと思います。

僕は、今の技術的な段階では、今ある原子力発電やガソリン車については使い続けるべきだと思います。建築家として省エネルギーのことを検討したことがありますが、最もエネルギーがたくさん必要になることは今あるものを壊し、新しいものを作ることです。省エネルギー住宅を新しく建てるために必要なエネルギーは、今ある住宅を使い続けるのに対し、莫大なエネルギーを消費します。それでも政府は古い住宅を壊し、省エネ住宅の建設に様々な援助をします。理由は経済の活性化のためです。同じようにガソリン車を20年使い続けることは電気自動車を生産し続けることよりも二酸化炭素排出量は圧倒的に少ないはずです。

C02削減をキャッチフレーズに、今ある風景が壊されていくのは残念です。こんな気持ちから、先人達が残した都市近郊にある自然風景の魅力を建築家の視点から紹介したいと思っています。

塚口明洋のプロフィール

建築家を引退し、VIEW、LANDSCAPE、LIFEをテーマに
時間を超えて建築家の旅を続けています。
B&B(宿泊施設)GARDEN FLATS(賃貸建物)
塚口ビル(築50年の貸しビル)、新町アパート(築60年の木賃アパート)を家族で共同運営しています。