初めてバレンシアを訪れた。街に立つ建築物のレベルは、バルセロナに引けをとらない。ただ、観光地として他の都市と違った特徴があるかと聞かれると、立派な街だが観光地ではない。
そんな中で、市庁舎を訪れバレンシア市の努力に触れたのはいい経験だった。市庁舎を無料開放し、開放するだけではなく、その対応する職員を配置しているところが素晴らしい。大切なのは「施設」ではなくこのような人の気持ちが伝わる行為だ。
これは余談ですが、スーパーマーケットでワインを買おうとしてずっとどれにしようかと迷っていたら、スペイン人の紳士が現れ日本語でここに並んでいるワインはどれも美味しいですよと話かけられた。彼は妻が日本人なんですと言った後、バレンシアの街はどうですかと質問してきた。僕は正直な印象として、素晴らしい街並みでとてもいい街ですねと答えた。彼は納得したような表情で去っていった。自分の町に愛着を持っていることがよくわかった。